~ 理学療法士・作業療法士はいなくなる?!リハビリとAIの今後 ~

皆さんこんにちは!「Siri」をはじめ、スマートフォンやウェアラブル端末でのAI(人工知能)活用は近年身近なものになりました。医療業界でも音声入力システムなどですでにAIが取り入れられており、リハビリ業界でも現在、AIの活用が話題となっています。そんな中、『AIが仕事をするようになり、理学療法士や作業療法士の職はなくなるのではないか』との不安の声もあがっています。

2020年当初から長引いているコロナウイルスの影響もあり、遠隔リハビリの技術やサービスの開発が加速しているそうですが、果たして理学療法士や作業療法士の職は本当に必要なくなってしまうのでしょうか。今回はリハビリとAIの今後について考えてみたいと思います。

1.AIの得意分野

ご存知の方も多いと思いますが、まずはAIの基本情報についてご紹介します。

「人工知能」と日本語に訳されるAIとは、「Artificial Intelligence」を略した言葉で、人工的に作られた知能を持つコンピュータシステムやソフトウェアを指します。

とはいえAIと言えば将棋やチェスでのプロプレイヤーとの勝負を思い浮かべる方もいらっしゃれば車の自動運転技術を思い浮かべる方もいらっしゃるなど活用される分野は多種多様であり、各分野によって求められる能力も異なってきます。

そのように幅広く活躍しているAIですが、一般的な特徴をまとめると、

 

《AIの特徴》

1. ルールに則った判断をする処理に対して、人間よりも早く正確に答えが出せる。

2. データを蓄積して学習することもできる。

3. 0から新しいものを作り出すこと、創造性が必要とされる作業は苦手。

となります。逆に人間はたくさんのデータを処理するには時間がかかりミスも多くなりますが、新しいものを創造できたり既存のものに対して工夫を加えたり、さらには感情を持って接することができるため単純に「AIの方が賢い」とは言い切れませんね。このように、便利とされるAIにも難しい領域は存在します。

 

2.リハビリにおける活用例

ではリハビリにおいて、AIはどのように活用されるのでしょうか。

例えば患者の疾患や姿勢などを映像分析し、リハビリの際に使えていない筋力を特定するのに使われます。また数多くの事例をデータとして保有しているので、それを活用し、リハビリのプログラムを考え出すことが可能となるでしょう。

また、AIやIoT、ウエアラブル端末を活用して、自宅にいる患者が離れた場所にいる医師や作業療法士らのアドバイスを受けながらリハビリを実施できるようになってきました。これはコロナウイルスの影響やそもそも病院やリハビリ施設から離れた場所に住んでいる方など通院に懸念のあるる高齢者にとっても嬉しいことだと思います。

その他、歩行訓練で最適な支持を加えるAIロボットや上肢機能の自主トレを支援するAIプログラムの開発も進められており、今後リハビリにおけるAIの活用はさらに進んでいくと考えられます。

 

3.理学療法士や作業療法士の今後

力が必要なときに介助されたり忘れそうな情報を教えてもらうようなことなら良いのですが、あなたならロボットだけにずっとリハビリのような訓練をされたいと思いますか?

ロボットに支持された通り訓練しても、クリアしたときの喜びはおそらく人間の理学療法士や作業療法士にされた時より半減しているのではないでしょうか。やはり努力してやっとクリアしたときには「上手にできましたね!かなり良くなりましたよ」、また、できなかった時は「次も頑張りましょうね」など声を掛けられたら嬉しいですし、何より人と人との触れ合いは温かみもあります。

上記でも述べたように、AIには短時間で大量のデータ処理が可能などメリットもありますが、精神的なケアができない点で人間らしさに欠けます。そのため、すべてをAIやロボットに任せるのでなく、例えばある条件に基づいてリハビリの計画を立てたり、リハビリの負荷を計算したりといったことはAIに依頼し、実際のリハビリ業務は理学療法士や作業療法士が行う、というように分業化していくことがお互いにとってメリットなのではないかと思います。療法士も一人の患者に関われる時間は限られていますので、AIによるデータ処理で少しでも治療時間を確保できたら助かりますよね。

今後どのような進化を遂げるかは未知ですが、現時点ではAIは感情面に欠けることや単純なデータだけでは判断できない事態に対処できないため、理学療法士や作業療法士の職は恐らくなくならないと言えるでしょう。

 

出典:株式会社 野村総合研究所 「NEWS RELEASE 2015.12.2」

4.まとめ

リハビリにおけるAIの活用について、いかがでしたでしょうか。

もちろんAIが進化することによって便利になる面もありますが、患者さんは人間ですし、実際のリハビリでは個人個人の価値観や生活、不安、気持ちの変化などを対話することで考慮し、治療に活かしていくことも求められていると思います。

とはいえ世の中は少子高齢化が進み、リハビリ業界でも人手不足が懸念されます。人間にしかできない魅力を大切にしながらAIを上手に活用し、働いていきたいものですね。

 

作業療法士のイラスト