~コミュニケーションその② 介護士と利用者編~

皆さんこんにちは!前回、看護師と患者のコミュニケーションについて触れましたが、今回は職場におけるコミュニケーションについての第2弾、介護士と利用者編です。タイトルは「介護士」としましたがもちろん限定でなく、その他介護福祉士やケアマネなど高齢者施設で勤務する皆さんと捉えて頂ければ幸いです。

これから現場に初めて行く方や転職者はもちろん世代の違う相手とどんなことを話そうか悩みますし、ベテランさんも看護師や理学療法士などより利用者と接する時間が長い分、会話に困った経験はありませんか?今回はそのような場面で少しでも活躍しそうな話題や逆にしてはいけない話題を集めてみました。

では早速、見ていきましょう!

 

1.コミュニケーションの浅い利用者との話題

施設へ初めて勤務する場合や新たに入所者がきた場合など、相手のことを知らない場合に便利な話題です。同世代ではない分、とっつきにくいと感じることもあるかもしれません。そんな時、まずはこのような話題からスタートしてみてはいかがでしょうか。

天気

これは言わずもがなのテッパンネタと言っても過言ではありません。「今日はいいお天気ですね」「秋風が気持ちいいですね」など当たり前のことを口にしているだけですが、相手とコミュニケーションを取ろうとしている姿勢を示すことができるので、全く話さず無言の状態が続くよりはずっと雰囲気が変わります。

そこから転じて「明日は寒いらしいのでお互い体調に気を付けましょう」「先日の台風では電車がストップして大変だったんです」など会話が広がる可能性もあります。

こちらが「高齢者だから話題が難しい…」と感じているのと同様、相手も「若い人とは何を話していいかわからない」と感じているかもしれません。

まずは会話の糸口を掴みましょう。

季節の行事やイベント

多くの老人ホームでは季節感を取り入れたイベントや、入居者の誕生日会、音楽会などさまざまなイベントが開催されています。そして施設内にはそれらの写真や、制作物がある場合は制作物が飾られていたりしませんか?

写真や制作物といった「モノ」は初めて接する人との会話を助けてくれます。例えばクリスマスパーティーの写真を指して「これは去年のクリスマスパーティーです。みんなでプレゼント交換するんですよ。何が当たるか楽しみにしていて下さいね!」「これは陶芸のイベントで制作した湯飲みです。自分の作った湯飲みでお茶を飲むと一層おいしく感じるみたいですよ!」のように「モノ」があると初対面でも話しやすいと思いませんか?

会話に困ったら一度、施設内を見渡してみて下さい。

出身地

出身地は初対面の人と話すときよく話題にすることですが、相手の返答によって会話の方向性に変化を持たせることができるのでオススメです。

例えば出身地が施設周辺の場合、「あのお店は昔からあるようですが、いつからあるかご存知ですか」「この辺りは昔、池だったそうですが本当ですか」など今と昔の違いについて聞くことができますし、遠方出身の場合は「いつこちらに引っ越されたのですか」「(出身地)の名物は何ですか」など地域に特化したお話を聞くことができます。

会話の広がり方によってはそのまま昔話をしてくれるかもしれませんし、家族のことも話してくれるかもしれません。

地域の話題は会話の要素が充分にありますよ!

身に着けているもの

前回、「看護師と患者編」と重なりますが、洋服や帽子、靴など身に着けているものもあまり面識のない方と接する時の話題としては効果的です。

「そのスカート、素敵な柄ですね」「おしゃれな眼鏡ですね」などやはり「モノ」があると話すきっかけができますし、褒められて嫌な気持ちになる人もいません。

昔からずっと大切に使っているものであればこちらから無理に話しかけなくても思い出話をしてくれる可能性もありますよ。

2.コミュニケーションの深い利用者との話題

ある程度長期間接していてコミュニケーションが取れている利用者の場合、話題が無くなってしまって困ることもありますよね。そんな時はこのような話題を振ってみてはいかがでしょうか。基本的に最初はこちらが「教えてもらう」スタンスで話しかけてくださいね。

健康法

一般的に年齢を重ねるにつれて「健康に気を使っている」という人が多くなります。そのため、健康法というワードには反応してくれる人も多いと思います。

高齢者ご自身で行っている健康法を尋ねたり、あまり相手からでてこないようなら「テレビで〇〇を毎日すると血流が良くなると言ってました」「〇〇という本で××を食べると血圧が下がると知りました」などこちらから情報提供してあげるのも良いと思います。

インターネットをはじめとする誤報道には十分気を付けながら話題にしてみて下さい。

 

子供時代

誰にでも子供時代の思い出は少なからずあるものです。一口に利用者と言っても60代~90代くらいまで様々ですが、育ってきた時代は私たちの時代とは全く異なりますので「どんな遊び方をしてたんですか」「今みたいに家電がない時代、子供たちはよくお手伝いをしたんですか」など聞くと色々と昔話をしてくれることでしょう。

逆にこちらからも「今の子供たちはスマートフォンのオンラインゲームで遊ぶんですよ」など話せば「オンラインゲームって何?」「携帯電話の使い方を教えてほしい」など会話が弾むかもしれません。

目的はコミュニケーションですが、お互いに自分の知らないことを知る機会があるのは勉強にもなり、嬉しいことですよね。

 

現役時代の仕事、家事・子育て

お年寄りは昔のことをよく覚えていますが、特に苦労したことはより印象深く覚えていることでしょう。「男は外で働き、女は家庭を守る」時代を過ごしてきたことを念頭に、男性高齢者には現役時代のお仕事の話、女性高齢者には家事や子育ての話をすれば進んで話をしてくれるのではないでしょうか。

「あの頃は今みたいに自由に休めなかった」「バリバリ残業をこなしたものだ」、「うちの子は足が速かった」「毎朝5時起きでお弁当を作ったのよ」などいろいろなお話が出てくると思います。話が発展して仕事や子育ての相談会になったり、家事や料理のコツを教えてもらったりするなど、話が膨らむこともあるかもしれませんね。

「すごいですね」「参考にします」など相づちを打つことで、会話が苦手な介護士さんでも会話が途切れずに済む話題の1つだと思います。

3.NGな話題

病気や死を連想させる話題

テレビや雑誌では日常的に「アイドルの〇〇さんは闘病のため芸能界を去ることになりました」「芸人の〇〇さんが事故の為亡くなりました」のような訃報の報道がされており、時事ネタは話やすい話題ではあるのですが、高齢者にとって病気や死は身近な存在であり、自分がいつ死を迎えるかについて考えている人もいますので、直接関係のない芸能人の話題であっても病気や死に関する話題は避けるようにしましょう。

利用者の方から話題を振られた場合は様子を見ながら話を合わせると良いでしょう。

 

家族

入所されている方は60代~90代と孫がいてもおかしくない世代です。一見、家族についてなら話してくれるのではと感じるかもしれませんが、今は独身を貫く人も増え、また一方で嫁姑問題を抱える家族もいます。このように家族の話題は比較的デリケートですので、相手の方から話してくれる場合を除き、あまり根掘り葉掘り聞かないようにする方が無難でしょう。

 

利用者が不安になる話

利用者の中には痴呆の症状が見られるかたもいらっしゃいますし、それに気づいていない利用者もいるでしょう。

「こないだ話した〇〇のことですが…」のように具体的な主語を言わずに話しかけるのは、万が一思い出せない場合「私が覚えてないのがおかしいのかな」と高齢者を不安にさせてしまいます。他の場面でも「前にも言いましたよ」「お母さん、すぐ忘れるね」などの言葉をかけられたりしているかもしれませんので、話をするときは毎回主語を伝えてあげた方がよいでしょう。

4.まとめ

施設利用者との会話について、いかがでしたでしょうか。

会話が苦手な介護士さんもいらっしゃるでしょうが、高齢者にとっては認知症予防にもなりますのでぜひ話しかけてあげて下さいね。世代こそ異なりますが、相手に興味を持って話を聞くことや、根掘り葉掘り聞かないことなどコミュニケーションを取る上でのマナーは友人知人と話すときと同じです。

大きな声でゆっくり話すなど高齢者ならではの注意点はありますが、職場の雰囲気を良くして働きやすくするためにも気軽な気持ちで会話を楽しんでみましょう。