保育士不足を応援!保育園でのICT導入。

皆さんこんにちは!こちらのコーナーでは以前、『保育士不足問題を考える』の回で保育士不足問題について触れました。

保育士たちの業務負担を減らそうと、近年は保育園でのICT導入が盛んです。2016年度に厚労省より「保育園等におけるICT化の推進」に関する補助金が全国の私立認可保育園に対して発表されて以来、登降園システムや指導案作成補助を始めとした各種業務が一気にICTによって業務改善がなされています。

一昔前までは保育園といえば先生たちが毎日子供一人一人の様子を連絡帳のような手帳へ記入して保護者へ渡すというイメージが強く、ブランクが長くなってしまったけれど復帰を考えている方はびっくりするかもしれませんね!

今回はそんな保育園でのICT導入について見ていきたいと思います。

 

ノートパソコンのイラストスマホの画面を見せる人のイラスト(店員・女性)お昼寝のイラスト「幼稚園の昼休み」れんらく帳のイラスト

 

1.保育園システムでできること

現在、多くの企業から保育園システムが提供されており、その特徴や機能は様々ですが、ほとんどの保育園システムは、インターネットを利用したクラウド型のICTシステムです。日頃、FacebookやLINEなどのコミュニケーションツールやWORDやEXCELなどのOffice系ツールを使用している方であればすぐに慣れることができるようなものが多いです。具体的にどんなことができるのか、以下でご紹介していきます。

 

①管理業務の効率化

園児の年齢や誕生日、アレルギーの有無等の基本情報の他、毎日の体調や成長記録など様々な情報を管理できます。もちろん過去の履歴も簡単に確認できます。園児用バスの運行管理や保護者がタブレットから行う登降園の打刻などがあるサービスもあり、保育士の負担軽減に繋がっています。

また、園児の管理のみでなく職員の勤怠・シフト管理も可能です。勤怠状況・残業時間がひと目で分かるので、職員のオーバーワーク防止や働き方改革につながりますし、そもそもシフト作成には人数が多ければ多いほど膨大な時間がかかりますが、こちらも各園の人員配置ルールを設定すれば自動で作成できるため事務作業の負担軽減になります。

保育業務には指導計画や保育日誌の作成も必須ですが、システムを使用すれば過去の資料をテンプレートとして新規作成できたり、日付や出欠人数などの項目は自動反映されるなど、簡単に作成が可能となっています。その他、自動集計機能などもあり、自治体への複雑な提出書類の作成をサポートしたりすることができるようになっています。

 

②コミュニケーションツール

 

保育システムはまた、コミュニケーションツールとしても活用されています。

電話連絡では特に台風の日など登園前の時間帯では繋がらないこともありますが、保育システムでは保護者はアプリから出欠や遅刻早退、延長保育の連絡ができるため、保護者側も保育士側も都合の良いタイミングで連絡・確認が可能です。一人一人手書きしていた連絡帳もタブレット・スマートフォンで手軽に作成でき、保護者とリアルタイムで共有できます。音声入力に対応しているシステムもあるので、ブランクのある保育士も簡単に作成することができます。

また、お便り配信や予定変更など園から保護者へ一斉連絡することができ、保護者の既読・未読も確認できるため、伝達漏れを防ぐこともできます。

その他、保育士が園で撮影した写真を保護者に共有・販売できる写真サービスのあるシステムもあります。

共働きで保育園で過ごしている子供の様子を見られない親にとっては嬉しいサービスですよね。

 

2.保育システムの注意点

このように、保育システムは保育士の業務負担を軽減したり情報共有がスムーズになったりと保育士にとっても保護者にとっても便利なものですが、使い方によっては注意点もでてきます。

例えば、使える機能が多すぎて逆に保育士の手間を増やしていたり、システムに慣れない保育士がいるという理由で紙媒体とシステムでの両方の運用を行い、結果として両媒体での連絡が必要になったり全体での集計ができず申告漏れがおきるなど、かえって混乱を招く可能性もあると思います。

また、共働き世帯が増え、祖父母が対応している家庭も増えたため、機器の操作に抵抗があると言われたり、手書きではない連絡帳にあたたかみを感じないという苦情もでてくるかもしれません。

保育システムの導入時は保育士への十分な研修や保護者側へのメリットの説明など予め時間に余裕をもって準備を行うことが必要でしょう。

 

3.補助金制度

上手に使えばメリットの多い保育システム。でも導入にはコストがかかります。現在、保育園のICTシステム導入に対して、国や自治体から補助金が交付されることをご存じでしょうか。保育士として勤務する上ではあまり意識しないとは思いますが、勤務先で導入を検討されるようなことがあれば知識として知っておいて損はありません。幼稚園も含めて複数あるのでご紹介します。

 

【内閣府】

企業主導型保育事業助成金

【厚生労働省】

保育園向けICT化補助金

【文部科学省】

幼稚園向けICT化補助金

【東京都】

保育園向けICT化補助金

対象施設 企業主導型保育施設(中小企業事業主が設置する事業所に限る) 保育所、幼保連携型認定こども園及び地域型保育事業の各事業(居宅訪問型保育事業を除く) 学校法人の幼稚園、幼稚園型認定こども園 認可保育所、認定こども園、地域型保育事業、認証保育所
加算額、補助額 1施設当たり最大100万円 1施設当たり最大100万円
1施設当たり最大72万円
1施設当たり最大200万円
助成対象 保育業務支援システムの導入に必要なソフトウェア等の購入費、初期費用、導入に係る工事費、及びその消費税・当該システムの導入にあたり最低限必要となる備品購入費 保育業務支援システムの導入のために必要なソフトウェア等の購入費、リース料、保守料、工事費、通信費及びその消費税 新規支援システムの購入費、リース料、保守費、 工事費、通信費(インターネット利用料含む) 保育業務支援システムの導入のために必要なソフトウェア等の購入費、リース料、保守料、工事費、通信運搬費及びその消費税
その他 負担割合

総事業費の3/4 (国1/2、市町村1/4、設置主体1/4)

負担割合

国3/4、事業者1/4

 

4.まとめ

保育園向けのICT化について、いかがでしたでしょうか。

介護士同様、保育士も慢性的に不足している現在、少しでも負担軽減を考えることは大変重要なことだと感じます。なぜなら保育士の退職理由で「仕事量が多いから」というのが多いから。

子供が好きで保育士を目指したけれど、実際就職したら保護者対応や園内の環境整備、行事の企画、準備、運営などその他の仕事で疲れ果ててしまい諦めた、ということをできるだけ防ぐためにはやはり働きやすい環境にすることが第一です。IT危機が苦手な人はいても、ほとんどの人がスマホを利用している中で、どうしても使えないシステムは少ないような気がします。

ICT助成金が複数あるように、政府も保育士の負担軽減に一役買ってくれているので、ぜひ利用して一人でも多くの保育士が長く働き続けられる環境になるといいなと思います。

 

子供たちを見守る保育士のイラスト